■□■ イヌワシの飛翔[1] ■□■
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 イヌワシの翼は幅広くて長く、風を受けとめるのにとても都合のいい形をしています。翼の角度を微妙に変化させ、ほとんど羽ばたかずに自由に飛ぶことができます。ある調査では、全飛行中の羽ばたいて飛ぶ割合は10%以下という報告もあります。鳥が空を飛ぶのは、獲物を探したり、つがい相手にアピールをしたり、なわばりを見張ったり、長距離を移動するためなど様々な目的のためです。

飛行のいろいろ
●帆翔のしくみ
帆翔のしくみ
地表の空気が暖められて上昇したり、斜面をのぼる気流を「上昇気流」といいます。その風にのって、ワシやタカは翼や尾羽を大きく広げて羽ばたかずに旋回し高度をあげていきます。
●滑翔のしくみ
滑翔のしくみ
ある程度の高さまで上昇すると、翼を広げたまま羽ばたかずに、重力を利用してグライダーのように飛びます。

●停空飛翔のしくみ
停空飛翔のしくみ
ハンギング
翼と尾羽の角度を変えることによって、羽ばたかずに向かい風だけの力で、凧のように空中の一点に浮く飛翔方法です。

行動圏の監視飛行パターン
行動圏の監視飛行パターン
ワシやタカの仲間が、なわばりを見回る飛翔のコースは、個体によってほぼ決まったルートがあるといわれています。そのルート上には、谷から吹き上げる斜面上昇流や熱上昇流が発生しやすい場所をむすんだコースが選ばれているようです。

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